RRH-Z003#1


このモジュールは、BQ25570(パワーマネージメント)TPS63030(昇降圧コンバータ)、TPL5110(電力ゲート)で構成される省電力なIOTデバイスの電源用に開発した製品です。BQ25570デバイスは、ソーラーパネルや熱電発電器(TEG)などの各種DC源から昇圧し、バッテリーの充電や内部の降圧コンバータで安定化された電圧を供給することが可能なチップです。TPS63030は、バッテリーからの電圧を3.3V又は5Vに変換し、それらの電源をゲーティングするすることで、定期的にIOTデバイスを起床させ、処理が完了したら電源ダウンさせる事が可能なモジュールとなっています

特徴

  • エネルギーハーベスト駆動でバッテリーの充電および電源供給が可能
  • 本モジュールではソーラーパネル接続を前提とし、最大電力点をVocの80%に設定
  • エネルギー貯蔵デバイスには、1セル リチュウームポリマ電池、スパーキャパシタや通常のコンデンサなど利用可能
  • 昇降圧コンバータTPS63030の出力を3.3V/5.0Vのどちらかをジャンパーで選択可能
  • TPL5110 で電力ゲートする電源ソースをBQ25570の降圧コンバーターかTPS63030の昇降圧コンバータかジャンパーで選択可能
  • TPL5110 での電力ゲートのON周期タイマー時間ををVRで100ms~2時間の間で設定可能
  • 小型基板 48.26 × 27.94mm

仕様

DC-DC1 (BQ25570)

 

 変換タイプ

充電側:昇圧コンバーター、出力側:降圧コンバータ
 入力電圧 DC+1.0V~DC+5.0V (※1)
 出力電圧 DC+3.0V
 最大出力電流 100mA
 出力変換効率 最大で90%程度(入力電圧、出力電圧・電流で変化します)
 スイッチング周波数 充電側で最大1Mhz、降圧側で最大500Khz
 閾値 過充電:4.2V、過放電:2.42V
 バッテリーOK信号 上昇閾値3.7V以上で「H」、降下閾値2.42V以下で「L」
DC-DC2 (TPS63030)  
 変換タイプ 自動 切替り 昇圧・降圧コンバータ
 入力電圧 DC+1.8V~DC+5.0V
 出力電圧 3.3V又は、5.0V ジャンパーで切り替える
 最大出力電流 最大で800mA、但し入力電圧、降圧・昇圧のモードで変化
※降圧3.3V出力で最大800mA、昇圧5.0V出力で最大500mA(データシートより)
 スイッチング周波数 2.4Mhz
 イネーブル信号 モジュール内部で100kΩでプルアップ  「L」入力で出力OFF
 電力ゲート (TPL5110)  
 入力電圧 DC+1.8V~DC+5.0V
 出力 入力された電圧が、タイマー動作によってMOS-FETをゲーティングして出力される
 制御 DONE端子に「H」レベルの信号を加えることで出力がOFFされる
 動作 起動時に、タイマー設定を読込、周期的に電源がONされ、DONE信号によりOFFされる
 ゲーティングFET 許容電流4A、ON抵抗31mΩ
共通  
 絶縁 入出力間は非絶縁
 基板サイズ W:48.26mm × D:27.94mm × H:9mm (ヘッダピン含まず)

ピン配置

J1 端子名・入出力 説明
1番ピン VIN-2_EN : IN DC-DC2 出力イネーブル信号(内部100kΩでプルアップ)、 オープンで出力はON、「L」でOFF
2番ピン VBAT_OK : OUT バッテリーが充電され、利用可能になると「H」レベルになり、バッテリー低下で「L」
3番ピン GND グラウンド
4番ピン VIN1 : PW IN ソーラーパネルからの電圧入力
5番ピン GND グラウンド
6番ピン VO-STOR : PW OUT 昇圧コンバート・バッテリー電圧出力 「システム電源出力(非安定)」
7番ピン VIN-2 : DC-DC2 PW IN DC-DC2(TPS63030)電圧入力端子
8番ピン VBAT : IN/OUT 1セル リチュウムポリマ電池、スーパーキャパシタなどのエネルギー貯蔵デバイスを接続
J2 端子名・入出力 グラウンド・制御電圧入力
1番ピン VO-3.0 : PW OUT DC-DC1 (BQ25570) の降圧コンバータ出力でDC+3.0Vの出力
2番ピン GND グラウンド
3番ピン V-OUT :  PW OUT DC-DC2 (TPS63030)の昇降圧コンバータ出力DC+3.0/+5Vの出力
4番ピン GND グラウンド
5番ピン VO-TGP : PW OUT

タイマーゲーティング出力で、DC-DC2 (TPS63030)の昇降圧コンバータ出力DC+3.3V/+5V、またはDC-DC1(BQ25570)の降圧コンバータ出力DC+3.0V

6番ピン DONE : IN タイマーゲーティング出力ONの期間に、「H」レベルの信号を入力することで、タイマーゲーティング出力をOFFにします。
7番ピン DLY/M : IN 時間設定を外部で行う場合や、手動でゲートONにする場合に利用します
8番ピン PSL : IN DC-DC2 (TPS63030)のパワーセーブを行う端子(100kΩでプルアップ)。「L」でパワーセーブ。

注意事項:
※1)
BQ25570は、VIN-1がVO-STORよりも高く、VO-STOR が VBAT_OV(4.2V) と等しい場合、VIN-1(入力電源) はチップ内部の小さな抵抗を介してグランドに接続れ、接続されたバッテリまたはコンデンサのさらなる充電を停止する様に動作します。
このケースが予想される場合、VIN-1 に接続されるソースのインピーダンスは 20Ω以上であり、低インピーダンスのソースでないことが要求されます。

ジャンパー設定

JP1 電力ゲートチップ(TPL5110)に供給される電圧選択(ゲーティングする電圧選択)
DC-DC2(TPS63030)の出力電圧(3.3V又は5.0V)
DC-DC1(BQ25570)の出力電圧(3.0V)
JP2 DC-DC1(BQ25570)降圧コンバータ出力制御選択(VOUT_EN)
BQ25570の「VBAT_OK」によって出力が制御される
JP3が「OFF」の場合は、常時出力イネーブル
JP3が「ON」 の場合は、常時出力OFF
JP3 DC-DC1(BQ25570)降圧コンバーターの出力制御
OFF 出力を常時イネーブルにする場合(JP2の設定がBの場合)
ON 出力を常時OFFにする場合(JP2の設定がBの場合)
JP5 DC-DC2(TPS63030)昇降圧コンバータの出力電圧選択
[3.3] 3.3V出力に設定
[5.0] 5.0V出力に設定
JP6 最大電力点の選択
MPPTサンプリングは入力電圧解放の80%
MPPTサンプリングは入力電圧開放の50%

出力電圧制御

DC-DC1、DC-DC2の両方に出力電圧の制御があります。DC-DC1(BQ25570)の出力制御は、JP2とJP3の組み合わせで決まります。DC-DC2(TPS63030)の出力制御は、J1の1番ピン(TPS63030のENピン)と2番ピン(VBAT_OK)を接続すると VBAT_OK 信号により制御され、1番ピンがオープンの場合は常時ON、1番ピンをGNDに接続すると常時OFFとなります。
VBAT_OK 信号は、バッテリー充電時の上昇閾値の電圧値(3.7V)以上になると「H」レベルとなり、下降閾値電圧の2.42Vを下回ると「L」レベルになります。VBAT_OK信号でDC-DCの出力制御を行う場合で負荷が重いと、電源起動時に瞬間的に下降閾値電圧の2.42Vを下回ってしまうと電源がOFFとなりますので、負荷が重い場合は注意が必要です。

電力ゲートタイマーについて

ボード上の「VR1」にて電力ゲートする周期のタイマー設定が可能です。抵抗値によりタイマー時間が決まりますが、目盛等がありませんのでJ2の7番ピンとGND間の抵抗値をテスターで測定しながらVR1で調整を行います。設定する抵抗値は、TIホームページからデータシートをダウンロードしてタイマー時間と抵抗値の関係を確認して設定ください。

電力ゲートの手動ONについて

電力ゲートは、外部にスイッチを接続して、手動でゲートONすることができます。
JP1で「A」のTPS63030出力を選択した場合は、J2の7番ピン「DLY/M」と3番ピン「V-OUT」間にスイッチを接続。
JP1で「B」のBQ25570出力を選択した場合は、J2の7番ピン「DLY/M」と1番ピン「VO-3.0」間にスイッチを接続。
接続したスイッチを押すと、トリガされ出力がONになります。

特性

抵抗負荷特性
各出力の波形です

BQ25570 3.0V出力

TPS63030 3.3V出力

TPS63030 5・0V出力

TPL5110 ゲーティングタイミング(周期を早くして測定しています)

※これらの波形の観測は、ブレッドボードにモジュールや抵抗を載せ配線して測定しております。

ドキュメント

ボード外形図資料には、製造上、RRH-Z003#1とRRH-Z003#2があります。資料の下側が RRH-Z003#1 に該当いたします。

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