このボードは、高圧DC-DC1コンバーターボード RRH-Z002#1 と正負DC-DC1コンバータ RRH-Z002#2 を活用した真空管アンプですので、12V/3A程度ののACアダプターによって動作いたします。入力段はオペアンプを使用しシングルエンドから差動にに変換、終段の真空管をドライブし出力トランスを使いインピーダンス変換しヘッドホンやスピーカーをドライブします。(※トランスは外付けになります) 終段の真空管部分(Electro-Harmonix 6922EH)は、カソードを定電流にした差動プッシュプルを構成し、数秒のソフトスタートアップ電圧で終段管のヒーターをドライブしております。

特徴
- DC12Vの外部電源で動作可能な、終段に真空管を使用したアンプ
- 終段管は、カソードを定電流20mAとした差動プッシュプル回路構成
- 真空管のヒーター電圧は、数秒かけてゆっくり電圧が上昇するソフトスタート
- 入力段はJFET入力のオペアンプTL072を使用し、シングルエンドから差動信号に変換
- 真空管のドライブ出力とは別に、入力信号をオペアンプNJM4556ADを通したバッファー出力を装備
- 真空管用 B電源用のDC-DCコンバーターのスイッチングノイズ低減用のフィルタを装備
仕様
| 入力抵抗 | 82kΩ |
| AUX出力抵抗 | 2.2Ω |
| 入力結合 | コンデンサ結合、0.47μF |
| AUX出力結合 | コンデンサ結合、470μF |
| 真空管出力結合 | トランス接続ファストン端子装備、プッシュプルトランス KCA6-7K82 3.5k-Cー3.5K :: 0ー8ー32 |
| 形式 | 無帰還、初段 オペアンプ、終段 双三極管 差動プッシュプル |
| 真空管 | Electro-Harmonix 6922EH |
| 定格出力 | 0.1W、出力トランス KCA6-7K82、負荷8Ω:0dbu入力、負荷32Ω:0.6dbu入力 |
| 周波数特性 | 10Hz~50kHz |
| 歪み率 | THD-N、出力トランス KCA6-7K82、0.9%:負荷8Ω 、0.5%:負荷32Ω (1kHz 0dbu出力時) |
| S/N比 | 60db (1kHz 0dbu出力時) |
| クロストーク | ー65db(片側入力をGNDに接続し測定) |
| DF(ON-OFF法) | 1.2(トランス8Ωタップ、8Ω負荷)、1.1(トランス32Ωタップ、32Ω負荷) トランス:KCA6-7K82 |
| 電圧利得 | 1.0(トランス8Ωタップ、8Ω負荷)、2.2(トランス32Ωタップ、32Ω負荷) トランス:KCA6-7K82 |
| カソード定電流 | 20mA |
| 電源電圧 | DC+12V、 1.2A(無信号時の電流値) |
| 基板サイズ | W:170.0xmm × D:180.0mm × H:50.0mm (高さは真空管実装時) |
ピン配置
| J1 | 電源入力コネクタ DCジャック 外形5.5mm 内径2.1mm(MJ-179PH) |
| センタ | 入力 +V (DC+12V) |
| リング | 入力 -V (GNDー0) |
| J2 | 常時電源コネクタ ポケットヘッダー 2P |
| 1番ピン | M+V(DC+12V) |
| 2番ピン | GND0 |
※RRH-A002A 電子ボリューム&レベルメータボードへの電源供給に利用できます。
| J3 | メイン電源スイッチ コネクタ ポケットヘッダー 4P |
| 1、2番ピン | SW+(DC+12V)注意:常時12Vが直接出力されています |
| 3、4番ピン | SW-(RL) |
※「SW+」と「SW-」を接続させると、メイン電源が入ります。
| J4 | B電圧用DC-DCコンバータの電圧制御端子 ポケットヘッダー 2P |
| 1番ピン | 制御電圧(0~3.3V) オープン時は、電圧は最低電圧(約27V) |
| 2番ピン | GND2 |
※JPの選択で、このコネクタからの電圧制御で電圧設定するか、ボードのVRで行うか選択できます。
| J5 | オーディオ信号入力コネクタ ポケットヘッダー 4P |
| 1番ピン | Lチャンネル 入力 |
| 2、3番ピン | AG1 |
| 4番ピン | Rチャンネル 入力 |
| J6 | メイン電源SWに連動したDC+12V出力コネクタ ポケットヘッダー 3P |
| 1番ピン | DC+12V |
| 2番ピン | GND0 |
| 3番ピン | GND0 |
※RRH-A003A 出力I/Fボードの電源に利用できます。
| J7 | AUX出力コネクタ、入力信号をNJM4556ADでバッファーした信号を出力 ポケットヘッダー 3P |
| 1番ピン | Lチャンネル |
| 2番ピン | AG1 |
| 3番ピン | Rチャンネル |
| ファストン端子 | 出力トランス1次側の接続用 |
| T1 | Lチャンネル 終段真空管 プレート1 |
| T2 | Lチャンネル B電圧 |
| T3 | Lチャンネル 終段真空管 プレート2 |
| T4 | Rチャンネル 終段真空管 プレート1 |
| T5 | Rチャンネル B電圧 |
| T6 | Rチャンネル 終段真空管 プレート2 |
ジャンパー
| JP1 | B電圧の設定を「J4」からの電圧制御で行うか、ボード上の「VR5」で行うかを選択 |
| 1-2(CV) | J4からの電圧制御によるB電圧設定 |
| 2-3(VR) | ボード上のVR5によってB電圧を設定します |
ボリューム
| VR1 | Lチャンネル終段管カソード定電流調整 TP24(GND)とTP15間が510mVに設定(20mA) |
| VR2 | Rチャンネル終段管カソード定電流調整 TP28(GND)とTP16間が510mVに設定(20mA) |
| VR3 | Lチャンネル終段管カソード電流バランス調整 TP17とTP19間、TP17とTP20間の電圧がほぼ同じ電圧になる様に調整(基本は100mV:10mA) |
| VR4 | Rチャンネル終段管カソード電流バランス調整 TP18とTP21間、TP18とTP22間の電圧がほぼ同じ電圧になる様に調整(基本は100mV:10mA) |
| VR5 | B電圧調整用ボリューム TP10(GND)とTP5間が79Vに設定 |
テストピン
| TP1 | GND0 |
TP15 |
Lチャンネル カソード電流測定用 |
| TP2 | A+5V | TP27 | GND2-1 |
| TP3 | A-5V | TP16 | Rチャンネル カソード電流測定用 |
| TP4 | 終段管のヒーター電圧 6.3V | TP28 | GND2-1 |
| TP5 | 終段管の B電圧 79V | TP17 | Lチャンネル カソード共通ポイント |
| TP6 | A+10.5V | TP18 | Rチャンネル カソード共通ポイント |
| TP7 | GND2ー1 | TP19 | Lチャンネル カソード1 |
| TP8 | GND2 | TP20 | Lチャンネル カソード2 |
| TP9 | AG1 | TP21 | Rチャンネル カソード1 |
| TP10 | GND2 | TP22 | Rチャンネル カソード2 |
| TP11 | Lチェンネル プレート1 | TP23 | Lチャンネル ゲート1(ネガティブ信号) |
| TP12 | Lチャンネル プレート2 | TP24 | Lチャンネル ゲート2(ポジティブ信号) |
| TP13 | Rチャンネル プレート1 | TP25 | Rチャンネル ゲート1(ネガティブ信号) |
| TP14 | Rチャンネル プレート2 | TP26 | Rチャンネル ゲート2(ポジティブ信号) |
| TP29 | AG1 |
特性
以下の特性の測定には、下記のツールを使用し、信号は0dbu (0.775Vrms) を基準にして測定しています。
- USBオーディオインターフェイス: M-AUDIO 192|4(出力周波数の最大は96kHzとなっています)
- ファンクションジェネレータ: Textronix AFG320(波形観測で使用)
- 電源: ACアダプタ12V/2A
- 音響測定ソフト:REW(Room EQ Wizard)
- 負荷抵抗: 8Ω、32Ω
- 接続出力トランス: KC6Aー7K82(染谷電子製)
トランスタップ8Ωで8Ω負荷

Lチャンネル

Rチャンネル

緑:RからL、橙:LからR


L:入力GND

L:入力20Hz 0dbu

L:入力1Khz 0dbu

L:入力 20Khz 0dbu

R:入力GND

R:入力20Hz 0dbu

R:入力1Khz 0dbu

R:入力20Khz 0dbu
波形はL/Rとも大きな差がないため、Lチャンネルのみをのせております

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2
トランスタップ32Ωで32Ω負荷

Lチャンネル

Rチャンネル

緑:RからL、水:LからR


L:入力GND

L:入力20Hz ー6dbu

L:入力1Khz ー6dbu

L:入力 20Khz ー6dbu

R:入力GND

R:入力20Hz ー6 dbu

R:入力1Khz ー6dbu

R:入力20Khz ー6dbu
波形はL/Rとも大きな差がないため、Lチャンネルのみをのせております

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2
NJM4556AD出力で32Ω負荷

Lチャンネル

Rチャンネル




L:入力20Hz 0dbu

L:入力1Khz 0dbu

L:入力 20Khz 0dbu


R:入力20Hz 0 dbu

R:入力1Khz 0dbu

R:入力20Khz 0dbu
波形はL/Rとも大きな差がないため、Lチャンネルのみをのせております

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2

入力:Ch1、出力Ch2